油脂には植物から取れるものの他、動物から取れるものがあります。植物オイルの代表と言えばオリーブオイルですが、動物油脂の代表は馬油。
キャリアオイルとはその中でも特に、マッサージや美容などに使われる植物性油脂のこと。
キャリアオイルを使用する目的は様々ですが、アロマや美容目的として使う場合は以下のような理由があります。
- エッセンシャルオイルの希釈
- エッセンシャルオイルの成分を体内に届ける
- 肌への栄養補給
- 肌の柔軟作用
- 皮脂汚れを浮かす
- マッサージによる摩擦軽減
- 皮膚の保護
エッセンシャルオイルの希釈
アロマテラピーでは精油(エッセンシャルオイル)を希釈するためにも使われます。
エッセンシャルオイルは濃度が強すぎるため単独で肌に乗せる事ができず、希釈して使われるのが一般的です。キャリアオイルはその希釈オイルとして使われます。
エッセンシャルオイルの成分を体内に届ける
「キャリアオイル」の「キャリア」には「運ぶ」という意味があり、精油成分を体内に運ぶ役割を持つことからこう呼ばれます。
キャリアオイルは精油と馴染みやすい上に肌への浸透性も高く、さらにキャリアオイルの持つ脂肪酸の割合で様々な美肌効果があります。
植物のパワーをぎゅっと凝縮した精油成分を、皮脂と馴染みのいいキャリアオイルに混ぜてマッサージや保湿を行うことで、単独では得られない相乗効果が得られます。
肌への栄養補給
キャリアオイルはそれぞれにビタミンやミネラルなど、様々な栄養素を含んでいます。こういった栄養素は美肌の元になるほか、オイルによっては美白作用や抗酸化作用、アンチエイジングなど様々な効果を持ちます。
保湿やマッサージとしてキャリアオイルを使うことで、オイルの持つ様々な栄養素を肌に届けることができます。
肌の柔軟作用
キャリアオイルには角質を柔らかくするという効果があり、肌に乗せることによって角質柔軟作用を得られます。
角質が柔らかくなることで肌が滑らかになり、古い角質が取れやすくなるほか毛穴の黒ずみや角栓のケアがしやすくなります。
キャリアオイルは皮脂に近い油性の成分ですから、必要以上に角質を取ってしまうことがなく、肌に残っても保湿成分として働きます。
また、角質化しやすいひじやかかと、足裏などのボディケアにも適しています。
皮脂汚れを浮かす
キャリアオイルには汚れを浮き上がらせる効果もあります。
キャリアオイルは油性ですから皮脂やメイクを含む油性の汚れと相性が良く、肌に乗せると皮脂汚れを浮かします。
余分な角質や汚れが取れることで肌への浸透性が高まり、のちに使う化粧水や美容液の浸透を高めます。
マッサージによる摩擦軽減
マッサージをする際に皮膚への刺激にならないよう、摩擦を軽減する役割もあります。
肌へのマッサージを行う際、摩擦刺激によって肌をこすってしまうと肌のダメージとなってしまいます。
マッサージによは血行促進やリンパの流れを整えるなど様々な効果がありますが、そのマッサージを摩擦刺激なしに行うにはオイルやクリームなど指滑りの良いものを使うのが鉄則。
キャリアオイルならクリームと違って界面活性剤や乳化剤などを使用していない完全無添加のナチュラル成分です。
欲しい効果を精油でプラスすることもできますので、マッサージオイルとして最も適しています。
皮膚の保護
キャリアオイルには粘性を持つものも多く、皮膚に塗ると保護剤として働いてくれます。
ワセリンのような皮膚保護剤よりは保護力が落ちるものの、保湿や栄養成分を届けながら保護ができるという点はワセリンにはないメリット。
ワセリンよりも塗り伸ばしやすいため使用感も良く、天然の保護剤として安心して肌に乗せることができます。
実際、オリーブオイルなど一部のキャリアオイルは「皮膚保護剤」としてメディカルグレードに精製されたものが販売されています。